Skypeの録音、スクリーンキャストの収録、DJ生配信にも便利なMac用オーディオルーティングアプリLoopback

Rogue AmoebaLoopbackというMac版の大変便利な有料アプリケーションをご紹介します。

これは、Macのオーディオを自在にルーティング(配線)できるアプリケーションです。

Macの内蔵オーディオから出力される音声は、同じMacの別のアプリケーションで録音したり、生配信したりすることができません。録音・配信するための一つの方法として、ループバック機能の付いた外付けのオーディオインターフェースを接続して使用することがあげられます。 (たとえば、SteinbergのURシリーズにはループバック機能があります。)

しかし、Loopbackを使うと、ハードウェアを増設することなく、Macで鳴っている音を録音したり生配信で流すことができるようになります。
従来は、SoundFlowerというアプリケーションが使われることが多かったと思いますが、SoundFlowerはすでに開発が終了しているようです。ここではLoopbackをおすすめします。

Loopbackには、購入前に試用することができる体験版があります。

Loopbackの使用例

Skypeの録音

Skypeで通話するときに聞こえる相手の声を録音することができます。もちろん、自分の声も録音することが可能です。

スクリーンキャストの収録

自分が話す解説音声だけでなく、Macで動くアプリから出る音まで含めて、スクリーンキャストを収録することができます。

生配信

ネットラジオや動画のライブ配信のような生配信で、Macのアプリから出る音を配信することができます。

今回は、上の生配信のケースを取り上げ、Native Instruments社のDJソフトTRAKTOR PRO 2での設定例を以下にご紹介します。

ここでご紹介する設定例は、フリーのDJソフトMixxxでも応用することが可能です。

DJソフトを使用する場合、マスター出力(ステレオ2チャンネル)とモニター出力(ステレオ2チャンネル)を合わせて4チャンネル(またはそれ以上)の出力が可能なオーディオインターフェースが必要になるのが普通ですが、Loopbackを使うことによって、2チャンネルしか出力のないオーディオ装置であっても、ヘッドフォンでモニターしながら、配信にはマスター出力だけを流すといったことが可能になります。

設定手順

使用する機材、ソフトウェアは以下の通りです。ここでは、DJソフトとしてTRAKTOR PRO 2を、配信ソフトとしてOBS(Open Broadcaster Software)を使用しますが、オーディオのルーティングの原理は別のソフトにも応用できると思います。

  • Mac
  • ヘッドフォン
  • TRAKTOR PRO 2(Macにインストール済みであるという前提で説明します)
  • Loopback
  • OBS

まず、MacにLoopbackをインストールします。

インストール方法については、Rogue Amoebaのサイトやアプリケーションの指示に従ってください。

Loopbackを起動します。

画像左下の「+」のアイコンをクリックして、仮想デバイスを作成します。このデバイスは4チャンネル出力にするので、それと分かるように、たとえば画像のように「Loopback Audio 4ch」と名前を適宜変更します。(実際には区別できれば別の名前でも構いません。)

作成したLoopback Audio 4chの設定を、上の画像のように変更します。

まず、Mute audio sourcesの左にチェックを入れ、Monitor audio through: の左のチェックは外します。

その下のChannel MappingはManualを選択し、その下の表のChannelsの列の下にある「+」を2回クリックして、画像のようにチャンネルを4つに増やします。

続いて、再びLoopbackの画面の左下の「+」をクリックして、仮想デバイスをもう一つ作成します。こちらはデフォルトの2チャンネルのまま使用するため、名称をただの「Loopback Audio」としました。(実際には区別できれば別の名前でも構いません。)

作成したLoopback Audio仮想デバイスのAudio Sourcesのところで、表の左下の「+」をクリックして、先に作成した「Loopback Audio 4ch」を選択します。

そして、Mute audio sourcesとMonitor audio through:の左のチェックを外します。

続けて、Channel MappingをManualに変更し、その下の表の1 (Left)、2 (Right)それぞれの行の右側のAudio Sourcesの列に、上のLoopback Audio 4chのChannelsの中から、Left (1)、Right (2)をドラッグして割り当てます。

さらに、Loopbackの画面の左下の「+」をクリックして、仮想デバイスを最後にもう一つ作成します。こちらはデフォルトの2チャンネルのまま使用しますが、モニター出力を聞くために使用するので、名称を「Loopback Monitor」としました。(実際には区別できれば別の名前でも構いません。)

Loopback Monitor仮想デバイスについても同様に設定していきますが、下の画像のようにしてください。Channel Mappingの設定に注意してください。

Mute audio sourcesのチェックは外し、Monitor audio through:にチェックを入れて「Built-in Output」を選択します。

Channel MappingはこれについてもManualを選択し、その下のAudio Sourcesは

  • 1 (Left)のチャンネルにはLoopback Audio 4chのLeft (1)と3を割り当てます。
  • 2 (Right)のチャンネルにはLoopback Audio 4chのRight (2)と4を割り当てます。

これでLoopbackでの作業は終わりです。Loopbackアプリケーションを終了して構いません。

次に、TRAKTOR PRO 2を起動します。

TRAKTORのメニューから Traktor > Preferences… を開きます。

PreferencesのAudio Setupを選択し、Audio Deviceを画像のように、Loopback Audio 4chに設定します。

次に、PreferencesのOutput Routingを選択し、Output Monitorを

  • Loopback Audio 4ch Out 2
  • Loopback Audio 4ch Out 3

に設定し、Output Masterを

  • Loopback Audio 4ch Out 0
  • Loopback Audio 4ch Out 1

に設定し、Preferencesを閉じます。

続いて、OBSを起動します。

OBSの設定を開き、「音声」>「マイク音声デバイス」を「Loopback Audio」(2チャンネル出力の仮想デバイスの、モニター出力ではない方です)に設定します。

以上で、設定は完了です。

Macにヘッドフォンを接続して、TRAKTORでDJしながら、OBSのミキサーのマイク入力のレベルを見て、ヘッドフォンでモニターしている音声がOBSには流れず、マスター出力のほうがOBSへ流れることを確認してください。

上の設定では、ヘッドフォンにはマスター出力とモニターしたい音源がミックスされた音声が聞こえてしまいますが、ヘッドフォンにはモニターしたい音源だけが聞こえるようにしたい場合は、上記の設定を参考に、設定を変えてお試しになってみてはいかがでしょうか。